合間縫う腑に落ちない音楽

肩透かしのカタストロフィは続く

2016-01-01から1年間の記事一覧

酒田の食べ物屋

11月19日のコマエンジェル酒田公演には、東京から予想以上にお客さんが来てくれる。驚くべきことだ。確かにネタとして面白いと思うが、酒田はいくらなんでも遠すぎる。誘っておいてなんだが、酔狂としか思えない。 交通費もかかるけど、いい大人にとって一番…

シン・ゴジラを見た直後の10つの感想

1.世間の空気に負けて、シン・ゴジラを見に行ってしまった。結論としては映画館で見てよかった。100点満点で100点の面白さ、少し引いても98点くらい。でもそれほど、あるいは全然楽しめない人もいるだろう。たとえば女子高生には面白さは分からないのではな…

男女6人浄夜物語

長い金髪をたなびかせる、艶やかな1stヴァイオリンの女性(左端の半袖)。 彼女の取り巻きはジャケットを着た2人のイケメン、「アッシー」2ndヴァイオリンと「メッシー」1stヴィオラだ。 それでも果敢に挑む2本のチェロたち(ジャケットなし)。特に2ndチェ…

「顔芸」を使わないブーレーズ

ユリイカの「追悼特集ブーレーズ」の原稿依頼が一向に来ないので、彼の指揮ぶりの違いについて一本書いておく。 YouTubeの動画を見れば分かることだが、オーケストラの指揮者の多くは「顔芸」で仕事をしている。歓喜に満ちた顔、楽しそうな顔、悲しそうな顔…

ブーレーズと「夜明け」

終電で寝過ごして、終着駅で駅員に起こされて割増タクシーで帰ってきても、やはり当面はブーレーズについて1日1本は書いておかなければならない。 夜道をとぼとぼ帰りながら記憶をたどれば、闇夜に差す光の表現が秀逸だったことが思い起こされる。 もっとも…

ブーレーズと2つの「浄められた夜」

作曲家で指揮者のピエール・ブーレーズが90歳で死んだ。何が書けるというわけでもないのだが、何となく色々楽しませてもらったお礼も込めて、それを知った日のうちに何か書き残しておきたい。 彼のいろんな経歴や、自分のブーレーズ遍歴を書いても切りがない…